恵綏つれづれ

つくしの思い出

keisui-41087@kiyama

弥生三月ひなまつりが過ぎて「啓蟄」の日、庭につくしが出ていました。

my花frameに桃の花 玄関にひな祭り

三月に入って日ごとに暖かくなってきなたぁとぼんやり庭を歩いてふと下を見るとつくしんばがひょっこり。もう10㎝くらいは背が伸びています。

「ごめーーん、ちっとも気が付かなくて」と謝りながらカメラにおさめます。

実家は三月になるとつくしがたくさんはえていましたが、新築しようとみつけた土地にもたくさんつくしがはえていました。更地のときお隣りさんが毎年楽しみにされていたよし。私たちが家を建てると聞いて残念がっておられました。

新築から二十数年、だんだんと少なくなってはきましたが毎年ちゃんと春を知らせてくれます。

子どものころは庭のつくしを摘んで新聞紙の上に広げて、爪先が汚れながらつくしのはかまを取るのがお手伝いです。

うっかりタイミングをのがすとつくしはどんどんとのびて食べごろの旬を逃してしまいます。

母はそのつくしを使っていろいろと料理をしてくれましたが、苦くて子どもの舌にはあいません。だんだんと成長してよろこんで摘むこともなくなりそのうちつくしは食卓にのぼることもなくなっていきました。

成人した二人の息子たちも小さな指で摘んでいたことを思い出します。

子のたちし あとの淋しさ 
土筆摘む  杉田久女

今年も「つくしが出たよ」と実家より知らせがありました。

母も年老いて実家の庭のつくしんぼは誰に食べられることもなく安心して背を伸ばしていることでしょう。

つくつくし はかま重ねて 天めざす  恵綏

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