恵綏つれづれ

初めての「小品花」

keisui-41087@kiyama

庭の沈丁花の香り芳しい三月中旬。

ある日ふと 沈丁の香の 
庭となる  今井つる女

小原流福岡県支部連合会主催の「専門教授者研究会」を受講しました。

参加資格は専門教授者(生徒さんを持って教えておられる先生)及び教授活動を目指す人です。私は後者の参加資格で受講させていただきました。

昨年のテーマは、花菖蒲での「色彩盛花様式本位」。専門教授者研究会は初めての受講でしたので下稽古をしてのぞみました。

花菖蒲 撫子 いぼた

今年のテーマは「小品花」。

一級家元脇教授になるとお稽古できる花型であり、小原流の最終が小品花です。

家元二級脇教授の私は所属する支部長先生に参加可能の確認をとっていただいての受講となりました。

小原流では資格によってお稽古できる花型が決められています。

二級家元脇教授から「琳派調いけばな」を学びます。

二級家元教授から「文人調いけばな」を学びます。

そしていよいよ一級家元脇教授から「小品花」がお稽古できます。

今回の専門教授者研究会で初めて「小品花」をいけることになりました。       一日だけの飛び級です。

専門教授者研究会は小原流研究院から講師の先生がお越しになり、はじめにいけかたのご説明があり見本花を実際にいけてくださいます。

そのあと受講者がいけていきます。

「いけばなは引き算の美といわれますが、その究極が小品花です。」とのお言葉を思い出しながら、まず主枝となる啓翁桜(けいおうさくら)の枝選びから。

このことにじっくり時間をかけてくださいとご説明にありましたので、念入りに見定めます。

竹くしを使ってしゃがを留めるコツもきめ細やかに教えていただいています。     その通りにやってみると・・・ぴしゃっと留まって感激しきりです。

三十分ほどじっくりとお花と向き合い、いけたお花を講師の先生がご覧になっておひとりおひとり手直しをして下さいます。

いよいよ私の番です。先生に一礼をして見ていただきます。             「桜の花が華やかですね」と二輪落としたあと「桜の花の近くにグリーンがもっとあるといいですね」としゃがを手際よく二枚足して下さいました。しゃがの根本にひと手間かけて挿す技術を間近で見せていただきます。

ものつくりの技は見て盗めといわれますがいけばなにもあてはまります。

また手直しの際のおことばにも学ぶものがありました。

講師の先生にお手直しいただいたあとの私の小品花です。

啓翁桜 しゃが

そのあと他の受講者の方のお手直しも拝見させていただきます。           おなじ花材でもお一人お一人の個性があるお花をそれを生かしながら手直しされる先生の手元とお言葉も自分の学びにつながります。

参加者全員のお手直しのあと「これから春になってたくさんのお花がでてきます。いろいろな器で(小学生がこれにいけたいと徳利をもってきたそうです)ぜひ小品花をいけてください。そして伝えていってください。」と結びのことばがありました。

同じ志をもつ方々とお花に向き合う空間はとても居心地が良いものです。

いくつになっても学び続けることができる日本の文化のすばらしさをあらためて感じた日となりました。

千年の 縁起をつなぐ 桜かな  恵綏

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